FXノウハウ

FXの経済指標とは? 経済指標を知って、FX取引を有効に行いましょう!

『FXの経済指標とは? 経済指標を知って、FX取引を有効に行いましょう!』

 

FXは2国間の通貨の為替レートから、売り買いを通して、為替差益で収益を得る投資手法です。この為、自国の通貨価値と、取引相手国の通貨価値を把握することが出来れば、より収益性の高いFX取引を行えると言えますね。今回は、FXで有効とされている経済指標について、ご紹介致します!

 

〇FX取引で抑えておきたい経済指標とは? 6つの経済指標

FX取引においては、以下の経済指標を把握しておくべきだと言えます。

 

  • 雇用統計
  • 国内総生産
  • 政策金利
  • 日銀短観
  • 消費者物価指数
  • 景気動向指数

 

この6つの経済指標の中でも、特に、米国の雇用統計の数値は抑えておくべきだと言えます。米国は未だ世界経済の中心国であり、その米国の雇用統計を把握するがまず最優先と言えるからです。その為、この経済指標を把握することは、FXのみならず、為替関連の投資を行っている人たちも把握しておくべきと言えますね。それでは、米国雇用統計について、より詳しくみていきましょう。

 

〇米国雇用統計とは? 

これは、アメリカの雇用情勢を表している指標で、調査対象者が多い為、労働市場の分析を行うことが出来ます。雇用統計が良いと何が分かるのかというと、

 

・雇用統計が良い→賃金の上昇→個人消費が増加→インフレ→金利が上がる→通貨価値が上がる→FXで買いの判断になる。対して、

・雇用統計が悪い→賃金の低下→個人消費が減少→デフレ→金利が下がる→通貨価値が下がる→FXで売りの判断になる。

 

上記の流れとなり、雇用統計は景気が良くなるということの最初の判断材料になる為、最優先で抑えておくべき指標であり、為替市場だけではなく、株式市場の値動きにも大きな影響を与えると言えます。この指標は、アメリカの労働省労働統計局が、毎月発表している経済指標で、毎月12日までを含む週のデータが集計され、基本的に翌月第一金曜日に発表されます。発表時間は、夏は日本時間の午後9:30、冬は日本時間の午後10:30となっており、発表時間に合わせて、ドルの売買が活発化する傾向があります。

注目すべき項目としては、全部で10項目からなる雇用統計の中でも、“非農業部門雇用者数”、“失業率”、“平均時給”の項目が重要となっています。

非農業部門雇用者数は、自営業や農業経験者を除いた民間企業、政府機関に雇用されている就業者数を表しており、これは事業所ごとの給与支払い帳簿を基に集計されています。中でも、前月比での雇用者数の変化が極めて重要で、事前予測地と結果の値が大きく乖離するケースもあります。こういった性質を持つため、発表直後に為替が急変する場合もあります。

失業率は、失業者数÷労働力人口(失業者+就業者)によって求められ、失業率の変化がマーケットの変動にも影響を与えると言えます。失業率が改善されると、仕事での所得を得ることに繋がり、消費も増加するものと推測できます。その為、株価も上昇し、その結果、FXでは買いの判断となると言えます。反対に、失業率が悪化すると、仕事で所得を得る人が減少する為、消費も減少するものと推測できます。その為、株価が下落し、その結果、FXでは売りの判断になると言えます。

これは、先述の非農業生産部門雇用者数がほぼ事前予想通りの結果となった場合には、材料視される傾向にあります。より精度を高めた予測を行いたい方は、労働参加率も一緒に確認すると良いと言えます。

平均時給は、1人当たりの就業者の所得を、時給に換算した数値で表しており、平均時給が増加すれば、その分消費に回る可能性も高くなると言えるので、参考となるべき項目と言えます。

以上のことから、この経済指標は、連邦準備理事会(FRB)の参考指標の1つとなっており、将来への政策への期待感が為替レートに大きな影響を与えていると言えます。例えば、金利の上げ下げの検討要因となりえます。ここ数年の米雇用統計では、失業率も4%を下回る水準まで回復していましたが、現在は、新型コロナウイルスの影響により、ロックダウンを行った結果、1過去最悪の失業率14.7%を記録するなど、雇用統計が悪化しています。又、非農業部門就業者数は-2,020万人を記録しており、これからの回復がどう進んでいくのか注視する必要があると言えます。

こういった状況の為、金利を下げて、企業活動を促す政策が求められており、これまでと同程度の低金利政策が継続していくものと推測されます。その為、ドルの売りが強まっていくものと考えられます。

 

〇政策金利とは?

景気と金利の関係では、先述の流れで記載している通り、景気が良い時は、物価上昇となり、インフレとなります。その為、企業の設備投資などを抑制させる為に、各国の中央銀行は金利を高く設定します。反対に、景気が悪い時は、物価が下がり、デフレとなります。その為、企業の設備投資などを促進させる必要がある為、各国の中央銀行は、金利を低く設定します。FX取引においては、金利の下がったものは、景気が低迷していると判断でき、通貨価値が下がっていくものと推測できます。対して、金利の上がっているものは、景気が良いと判断でき、通貨価値が上がっていくものと推測できます。

 

〇国内総生産とは?

国内総生産は、各国の経済力を示す、経済指標のことです。これは、一定期間に国内で生産された財やサービスの付加価値の合計を表しており、名目GDP実質GDPに分かれます。

 

・名目GDP

→その時の市場価格で、一定期間内に生み出された付加価値(経済活動)を評価した額を基に算出しています。

 

・実質GDP

→名目GDPから物価変動の額を除いた額を基に算出しています。

 

FXで用いる経済指標としては、この内、実際の経済成長率に用いられている実質GDPを基に、分析を行います。具体的には、「速報値」、「改定値」及び「確報値」の項目を分析する際の指標とします。中でも「速報値」は、為替市場への影響が大きく、より注視するべき指標となっています。比較対象としては、前年比、前期比年率、前年同月比と、これらの数値を比較し、市場の実態を把握することができます。

 

〇消費者物価指数(CPI)とは? 

これは、消費者に関する経済指標で、一般消費者が購入する財、サービスの総合的な価格の水準を表す数値となっています。日本では総務省が毎月発表しており、基準年の価格に対し、品目ごとに比較時点の価格の比率を算出して、指数化されたものです。又、西暦の末尾の”0”と”5”の数字の際に、基準改定されます。指数の算出は、比較時の価額÷基準時の価額×100で表示されており、品目の価格は、総務省統計局が行う小売物価格統計調査によって、調査された小売価格が用いられています。

見方としては、基準時を100として、1年後の指数が102であれば、物価が2%上昇したことになります。この為、物価指数を明確に分析できることから、有力なインフレ(又はデフレ)指標となっており、特に季節性要因を受ける生鮮食品を除いた「コアCPI」は最も重要視されている指標の1つとなっています。

FXでの取引の際は、このCPIでの分析を用いて、現在の状況がインフレかデフレかどうかを判断し、中央銀行の金利政策がどうなるのかを推測する為の指標となりうると言えます。

〇日銀短観、景気動向指数

日銀短観は、企業の景況感を分析する際に活用し、景気動向指数は、経済の先行きを予測する上で、その方向性を判断する際に活用することができます。中央銀行の報告と、企業の景況感も、正確な市場動向を把握する為に必要だと言えるので、重要な点はチェックするべきだと言えますね。

 

〇まとめ 経済指標を活用して、FX取引に活かしましょう!

このように経済指標は、有効に活用することができれば、今後のFX取引の際に、重要な指針とすることができます。各経済指標の見るべきポイントを把握し、2国間の市場動向を把握することで、有利な為替取引を展開することができるようになると言えます。