皆様ごきげんよう
ましゅまろです。
本日は今すぐ使えるストキャスティクスを用いた手法ををご紹介させていただきます。巷には数千、数万と数多くインジケーターが溢れておりますが、本やネットでよく目にするものは教科書通りのゴールデンクロスとデッドクロスで売りといった非常に曖昧なものだと思います。そこで資産運用会社を経営している私がより実践的にどのように使いこなせば、相場に対して優位性を持てるのか、収益を上げることができるのか、ここにフォーカスをしてその使い方や手法として皆様にご紹介させていただきたいと思います。
Contents
ストキャスティクスとは
オシレーター系インジケーターの一つでRSIと並んでFX業界では広く知れ渡っており、愛用者が多いインジケーターのひとつになります。 一般的に用いられるストキャスティクスは、%Kと%Dを用いたファーストストキャスティクスと、Slow%KとSlow%Dを用いたスローストキャスティクスがあります。ファーストストキャスティクスはサインが出るのが早すぎるため、騙しになることが多く、一般的には騙しの少ないスローストキャスティクスの方がポピュラーで使用されることが多いです。
使い方
買いの場合
Slow%Dが20以下にある時
より実践的なものとして
20以下でSlow%KがSlow%Dを上抜けたら買い(ストキャスティクスのゴールデンクロス)
売りの場合
80以上にある時は売り
より実践的なものとして
80以上でSlow%KがSlow%Dを下抜けたら売り(ストキャスティクスのデッドクロス)
という使い方が最もポピュラーで、 FX や投資の本を開けば必ずと言っていいほど書いてある情報だと思います。
ましゅまろPOINT
そこで今回はこの情報が正しいのか正しくないのかを数字的根拠をもとに述べさせていただきたいと思います。
そこで、
ストキャスティクスの(14,3,3)が20以下でゴールデンクロスしたら買い
ストキャスティクスの(14,3,3)が80以上でデッドクロスしたら売り
という自動売買のプログラミングを設定させていただきました。
そこでいくつかの条件でこの自動売買プログラムを用いて過去検証をしていきたいと思います。
テスト条件
今回テストをさせていただく条件は
10,000ドル(約107万円※2020年8月12日のドル円が106.87円のレートを採用)を
運用資金とし、運用ロットは1ロット(100,000通貨)で運用した場合の
- ユーロドルの5分足
- ユーロドルの1時間足
- ユーロドルの日足
この3条件でテストをさせていただきたいと思います。
それでは早速結果を見て参りましょう。
➀ユーロドルの5分足
図の矢印のようにストキャスティクスのゴールデンクロスで買い、ストキャスティクスのデッドクロスで売りを繰り返していく売買を繰り返しました。
そしてその結果を次に示します
ストキャスティクス成績(EURUSD5分足)
成績の見方ですが
左から
損益-1171$
取引回数533回
勝率64.35%
プロフィットファクター0.967
最大ドローダウン-5497$
平均トレード(1回あたりの獲得予想損益)-2.2$
※赤字はマイナスを意味します。
となっており。
その下のグラフをご覧になっていただければわかりやすいかと思いますが、
グラフが右肩上がりになることはなく、 右肩下がりになっており資産が目減りして入っている状態が続いていることが分かると思います。
このことよりストキャスティクスの基本的なゴールデンクロス買いデッドクロス売りでは、資産が増えるどころか減ってしまうことが考えられます。
※もちろんこのテストをした期間の成績になりますのでそれ以外の期間においては機能する場面も可能性としてはございますので、こちらはあくまで私が調べた期間での結果とご理解を頂けますと幸いです。
それでは同様に各通過時間足の結果を記載させて頂きます。
➁ユーロドルの1時間足
ストキャスティクス成績(EURUSD1時間足)
損益-11313$
取引回数461回
勝率60.3%
プロフィットファクター0.906
最大ドローダウン-21029$
平均トレード(1回あたりの獲得予想損益)–26.54$
③ユーロドルの日足
ストキャスティクス成績(EURUSD日足)
損益-11519$
取引回数175回
勝率65.14%
プロフィットファクター0.957
最大ドローダウン-84551$
平均トレード(1回あたりの獲得予想損益)-65.82$
結果考察
結果からの考察➀
先に述べさせていただきましたが、私はテストした期間においての結果であることを念頭において頂ければ幸いです。ですが取引回数も数百回行なっておりますので十分な調査量かと思います。これより考えられる点と致しましては、結論ストキャスティクスの単純なゴールデンクロス買い、デッドクロスで売ると言った取引に優位性はないと判断させて頂きます。ですのでこれをご覧になっている FX 初心者の方は、極めて高い確率で資産が目減りしていくことが考えられますので、このような単純な売買をお控え下さいませ。
結果からの考察➁
なぜこのように結果が悪くなったのか、私の考察ではございますが、ストキャスティクスはもともとオシレーターとしての機能を備えております。そのためレンジではレンジの上限、下限を捉えることができ、逆張り的な形で機能し勝率も50%を超える可能性が高く非常に優れたインジケーターであると考えております。
ですが、トレンドが発生する場合においては、トレンドに逆らうように逆張りをしてしまうので、買った後に下がっていく、売った後に上がっていくというように、損失が ぐんぐんと膨れ上がるデメリット持ち得ていると思います。そこでストキャスティクスをより上手く使うためには次のことが必要になると思います。
ストキャスティクスの実力を最大限発揮するには
ストキャスティクスのデメリットを減らし、メリットを最大限活かす
トレンド発生中の押し目買いや、戻り高値売りを狙う
トレンドの方向には逆らわず、逆張りをする
使用方法を推奨させて頂きます。
ましゅまろ流 勝てるストキャスティクススキャルピング・デイトレード手法
具体的な手法は次のとおりになります。
- トレンドを把握する
- 再現性のある形で逆張り
➀トレンドを把握する
ここでは移動平均線を用いてトレンドの判定を行いたいと思います。
皆様も各自過去相場で確認をしていただきたいのですが、移動平均線の特徴といたしまして、移動平均線の上に価格の実態があるときはその方向へ、ある一定期間トレンドが継続するといった性質を持っております。そこでこの性質を活かし、スキャルピングやデイトレードを行いたいと考えております。一般的にスキャルピングやデイトレードとは、トレードを開始してから数分~10時間程度、長くても24時間以内に決済をするトレードのことを指します。
そこでスキャルピングやデイトレードを行う際に、これから2日先や1週間先の値動きを予測する必要はなく、今後数時間の値動きを予測することができればスキャルピングやデイトレードで勝つ可能性が高まると考えております。
そこでトレンドの把握のためには、世界中で最も見られている1時間足の動向をチェックする必要があると考えております。そこで本手法ではトレンドを把握するために。
1時間足の移動平均線の上にあるか下にあるかでトレンド判定を行います。
※画像ではSMA20(単純移動平均線)を使用
➁再現性のある形で逆張り
ストキャスティクス(14,3,3)を用い
買い条件
トレンドが上方向の時(移動平均線の上にある時)
ストキャスティクスが50以下でゴールデンクロスの場合買い
売り条件
トレンドが下方向の時(移動平均線の下にある時)
ストキャスティクスが50以上でデッドクロスの場合売り
手法まとめ
➀➁より
FX 初心者の方でも誰であったとしても、明確にトレンド判定を行うことができておりますので、本手法ではトレンド発生中の安いところ押し目買い、高いところを戻り売りすることができ自然に適切な取引位置を選択しているということになります。
またトレンド判定も行なっているため、デメリットであった、トレンドに逆らって損失を長く落ち続ける可能性も、トレンド判定を行っていない場合に比べ極力 少なくするよう設定させて頂いておりますので、その点もご安心してお取引いただけるかと思います。
手法発展へ
各取引条件を変更してどの数値であればその時々の相場状況に合うかをチェックしてみてくださいませ。もちろん今回ご紹介させていただいた数値のものよりもより良いものもあるかと思いますのでぜひ皆様各自でいろいろとトライされてみてくださいませ。
参考といたしまして例をいくつか記載させて頂きますのでご覧のほどよろしくお願いいたします。
1時間移動平均線
SMA(5)(7)(21)(25)(100)(200)
ストキャスティクス
(5,3,3)(7,3,3)(9,3,3)(20,3,3)
ストキャスティクス 買い水準
(10)(20)(30)(40)(60)
以下でゴールデンクロスしたら買い
ストキャスティクス 売り水準
(90)(80)(70)(60)(40)
以上でデッドクロスしたら売り
まとめ
ストキャスティクスを教科書どおりに使用しても、中々か勝つことが難しいのかと思います。正しいデメリットである、トレンドに逆らって損失を延ばしてしまう、そこを改善してあげることでストキャスティクスは非常に優秀なオシレーターとして皆様の取引をサポートしてくれることでしょう。そこで今回はトレンドに逆らうのでなく、トレンド判定をしっかり行なった上で、押し目買いや戻り売りをすることでストキャスティクスの魅力を最大限発揮できると考え手法をお伝えさせていただきました。
トレンド判定も誰であっても同じ条件で使用できるように、移動平均線の上にあるのか下にあるのかだけで判定ができるものとなっておりますので、是非相場を難しく考え過ぎずに、 果敢にチャレンジされてみてください。また発展形として各取引条件の変更も今後色々と調べていけたらよりトレーダーとしてよレベルUPに繋がると思いますので是非その辺りにチャレンジされてみてください。
それでは本日はこれにて失礼いたします。